ときめきLOVERS
ときめきトゥナイトの二次小説を置いています。
現在本サイトより移行作業中。
きゅーぴっど
俊×蘭世 高校時代
放課後、体育委員の俊は体育祭に使ったリレーのバトンを体育館に運ぼうと向かっていた。
その体育館の入り口に見慣れた後姿が一人。。。
(何やってんだ?あいつ…)
蘭世は俊に見られているとも知らず、体育館の中を覗いたりまた首をひっこめたり
腕を組んで何やら思案したと思えばまた中を覗いてみたり。
「おい」
「わっ!!ま、真壁くん。。。お、脅かさないでよ」
急に声をかけられた蘭世はその場に飛び上って毛を逆立てた。
「お前が不審すぎる…さっきから何やってんだこんなとこで。誰かいるのか?」
俊はひょいと体育館の中を覗くと、中にはバスケ部の男子が3人、
ボールをうまくあやつりながら立ち話をしていた。
「あいつらに何か用か?」
「あ、ううん、なんでもないの。真壁くんこそ体育館に何の用?」
「俺は体育委員。だから体育館に用があるのが普通。
用がないのはお前の方だろうが」
「いや、別になにも…」
「何だよ、怪しいな」
「怪しいだなんて、誤解だってば。私じゃないのよ。楓ちゃんが…あ。っやば」
っと蘭世は思わず両手で口を塞いだ。
「小塚?」
「いや~・・・その…どうせ真壁くんには読まれちゃうか…」
「?」
「内緒にしてね。楓ちゃんが、あのバスケ部のキャプテンの人のこと好きらしいの。
でね、彼女がいるかどうかもわかんないし、聞いてきてとか言われちゃって…」
「なるほど。またおせっかいを焼いて、張り切ってきたわけだ」
「う。。おせっかいじゃないもん!どうしてもって言われちゃったら断れないし。
で、ここまで来たのはいいんだけど、私、よく考えたらあの人の名前も知らないし、
なかなか一人にもならないし、ちょっとここで待ってたんだけどね…あはは」
「あほらし。そんなこったろうと思ったよ」
「だって…」
+++++
そこにふっとユニフォーム番号4番をつけた男性が体育館の入口まで近づいてきた。
「あれ?よぉ。真壁。何してんの?ここで」
「あ…いや、ちょっとな」
(ん…?真壁とな?)
蘭世はきょとんとして俊とその男子を見比べていた。
「ん?なんだ彼女と一緒か。逢引するならもっと人のいないとこでしろよ。
こんな入口でいちゃいちゃしねえで」
「ば、バカヤロ。!!!そんなんじゃねえよ」
「ははっ、じゃあな」
とその男子はくるくるとボールを人差し指の先で回しながら体育館を出て行った。
「ったく…お前のせいで、俺まで怪しまれたじゃねえか:
「なんで私のせいなのよ。っていうか真壁くん!!」
蘭世は思わず俊の胸倉にしがみついた。
「な、なんだよ!」
「真壁くん、あの人と知り合いなの!?あの人、真壁って…」
「ああ。高杉。部活の部長会議でよく席が隣同士になるんだ」
「何よー!何で早く言ってくれないわけ?」
にたっと蘭世は笑った。
「聞かれてねえし」
「んもう!真壁くんがお友達なら話は早いじゃないの!ね、真壁くん、
彼女がいるのかどうか聞いてきて!お願い!」
「知るか」
「お願いよ~真壁くん!私を助けると思って」
「お前は甘やかすと調子に乗るからな。自分で何とかしろよ。
あ、部活サボるなよ。じゃな」
「あ、真壁くん!もう!イジワル…」
さっさと歩いていく俊をふくれっ面でにらみながら蘭世は考えていた。
「高杉くんかぁ。でも名前はわかったし、真壁くんの友達ならスムーズに行くかも☆。
よーし。楓ちゃん待っててね!」
蘭世はギュッと両こぶしを握り締めて奮起した。
+++++ +++++ +++++
その日の夕方、
「蘭世のヤツ、結局部室に顔出さなかったわね。あんのやろ~。
俊、あんな子ほっといて帰りましょ」
曜子がいつものように悪態をつく。
「・・・」
(あいつまだ体育館でねばってんじゃねえだろうな)
するとそのとき、隣で曜子の叱声が飛んでビクっとなる。
「あーーっ!!蘭世!あんなとこに!コラーー!!蘭世!
マネージャーが部活に顔出さないってどういうことよ!」
「あっ」
蘭世が楓と一緒に中庭のベンチで話し込んでいた。
「ごめんなさいい」
「あ、真壁くん、ごめんね。私が蘭世を引き留めてたの。怒らないで。
じゃあ蘭世ありがとう。そういうことで。また明日ね」
「あ、楓ちゃん、がんばろ~ね~」
楓ににこやかに手を振る蘭世の髪を曜子が後ろから引っ張った。
「な~にががんばろ~ね~だ!ったく!ね、俊☆こんな子ほっときましょ」
「ごめんなさいってばぁ。明日はちゃんと行くから」
ギャーギャーまくしたてる曜子に蘭世は耳を押さえながらも謝っている。
「あ、お嬢さん、お疲れ様でした。お迎えに上がりやした!」
曜子の使用人の惣だ。
どうやら曜子を迎えに来たらしい。
「何よ。いいわよ。私は俊と帰るんだから!」
「いや、そういうわけには。。。来客がお見えでして、
親分からお嬢さんを早く連れて帰ってこいとのお達しで…」
惣はそう言うと曜子を肩に抱き上げそのまま車に移動する。
「えー!?やだ!ちょっと俊~!」
そうやって曜子はあわただしく連れられて行った。
「はぁ…あわただしい人…真壁くん、今日ごめんね。怒ってる?」
「別に。どうせ高杉のことでくだらん作戦でもたててたんだろ?」
「あーくだらんって言ったー!この作戦はばっちり☆ふふふ☆見ててよ~真壁くん」
俊は蘭世を呆れ顔で見る。しかし一生懸命意気込む蘭世の姿は
いつだって輝いてみえるから不思議だ。
「しょうがねえな。明日はちゃんと部活も顔出せよ」
そういうと蘭世は一段と顔を輝かせて「うん!」とほほ笑んだ。
+++++ +++++ +++++
数日後、
今日は部長会議のため俊は会議後、一人で校門に向かって歩いていた。
そのとき、背後から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「真壁~」
振り返ると例の高杉だった。
「なんだ。高杉か。」
「よ、お疲れ。それにしてもお前、ホントかわいげねえな。マジで1年か?」
「悪かったな」
「くくく、おもしれえヤツ。相変わらずぶっきらぼうだし。彼女に愛想つかされるぜ」
「ほっとけ」
「でもいいよな。お前はちゃんとした彼女がいて。今日は一緒じゃねえのか」
「まあ。…そんなちゃんとした彼女に見えるか?」
自分では彼女だからとか彼女じゃないからと意識したことがない。
いつのまにか隣にいるのが当然になっていただけで。
「そりゃそうだろ。いつも一緒にいるしさ。なんつーの?入り込めない雰囲気?
まああの眉毛の子もいるけどな。
まさかそっちなわけじゃねえだろ?」
「ん…まぁ…///」
なんとなく彼女を認めてしまうことが照れくさい。
否定するつもりもないが、自分からそんなこと人に言ったこともないし。
「それはそうとさ」
高杉は俊の照れなど全く気付いていなかったようでちょっと俯きながら話し出した。
「折り入って相談があるんだけど…」
「俺に?」
「ああ、実はさ。。。お前の彼女、よく小塚さんと一緒にいるじゃん?
あれって知り合い?」
「小塚?ああ…中学の同級」
「は?同級?何お前ら年ごまかしてんの?」
「うるさい、ごまかしてんじゃねえよ。ちょっと事情あり」
「どうりで初々しくないわけだ」
「うるせぇ」
「じゃあ、タメならなおさら好都合だ」
そういうと高杉はニカッと笑った。
「ん?」
「小塚さんって、彼氏とかいんのかな?」
「・・・いや、いないと思うが…何で?」
「お前、そこまで言わせるか?・・・
・・・あの子いいじゃん。いっつも花壇に水やってんだよ。なんか気になっててさ。
そしたらよく一緒にいる女子はなんとお前の女!俺ってついてるよね」
「へぇ・・・。
・・・ついてるかどうかは知らねえけど、まあいいんじゃねえの?
話しかけてみれば?(っつーか両想いってヤツだろ、これ)」
俊はなんとなくにやけてしまいそうな口元を我慢し、ポーカーフェイスを保つ。
パっと顔を輝かせる蘭世の様子が目に浮かんで、フッと笑みが零れた。
しかし、当の本人は真っ赤になって動揺する。
「お、お前、自分が彼女持ちだからって簡単に言うなよ~!」
「そうか?案外うまくいくかもしんねえぜ。(だって両思いってヤツだし)」
「何で?何で?」
高杉は縋り付くように俊の胸ぐらをつかんでくる。
「な、なんだよ」
「何でそこまで言い切れるんだよ!」
(なんか・・・江藤みてえ…)
高杉の言動がどこか蘭世を彷彿させて俊は親しみを覚えた。
そしてそっと心の中で応援の言葉を投げかけた。
「俺に聞くより、本人に聞くのが一番かと思ってさ。んじゃがんばれよ」
じゃあなと俊は手を掲げてその場を後にした。
「あ、おい真壁ー・・・」
高杉はしばらく立ち尽くして考え込んでいたが、よしっと気合を入れなおして
校舎の方に舞い戻った。
帰路を歩きながら俊は蘭世に今すぐ伝えたいと思った。
飛び上って喜ぶ姿が簡単に想像できる。
その姿を思い浮かべると俊の気持ちも浮足立った。
今まで人の恋路なんて全く興味がなかったけれど、
人が幸せになっていくのを見守るのも悪いことじゃないなと
そう思うのだった。
ふいに口笛を吹きだす自分にハッとしながらも
俊はそれをやめなかった。
+++++ +++++ +++++
次の日の朝。
「真壁くん、おはよう」
廊下で俊を見かけた蘭世は走り寄って声をかけた。
「オス」
にやりと笑って、俊は蘭世を見た。
「ん?なあに?今日はなんだか楽しそうね。何かいいことでもあったの?」
「いや?お前の顔が面白い」
「な、なにそれ!ひどい!」
バシバシと蘭世が俊をぶつのを俊は手で止めながら言った。
「痛えな。冗談だよ。近いうち、きっとうれしいことあるぜ。たぶんお前にも」
「うれしいこと?何?何?何があるの?」
「・・・言わねえ」
俊は含み笑いをしながら答える。
「何でよ。そこまで言うんだったら教えてよ~。気になるでしょ」
「・・・あっ!!」
「え?何?」
「・・・じゃあ小塚に聞くんだな」
そういうと俊はあれといって顎で中庭を指示した。
「え?楓ちゃん?」
隣には高杉の姿があり、二人で花壇のそばに座って楽しそうに話し込んでいた。
「あ~~!高杉くん!?どうなってんの?あれ。いつのまに・・・?
でも昨日はそんなこと言ってなかったのに・・・」
腕を組んで蘭世は首を傾げている。
「くっくっく」
隣で笑う俊に蘭世は詰め寄る。
「何?真壁くん何か知ってるの?何よもう!教えてよ」
そういって俊の腕をグイグイ引っ張る。
「別に何もねえよ。ただ、お前と小塚が友達で、俺と高杉が友達だった。
あ~よかったなってことだよ」
「はぁ?わけわかんない。もう!真壁くん自分だけわかった顔してずるい!」
廊下できゃあきゃあやり取りしている二人を花壇の二人が見上げていた。
「あの二人に感謝ね」
「ああ。全く」
高杉と楓はにこっと微笑みあいながらこれからの時間に気持ちを膨らませていた。
<END>
+あとがき+
俊のキャラが途中なんかおかしかったので
移行に再録するにあたって結構端折りました^^;
二人の存在そのものが周りを幸せにする…
理想的な2人デス。
放課後、体育委員の俊は体育祭に使ったリレーのバトンを体育館に運ぼうと向かっていた。
その体育館の入り口に見慣れた後姿が一人。。。
(何やってんだ?あいつ…)
蘭世は俊に見られているとも知らず、体育館の中を覗いたりまた首をひっこめたり
腕を組んで何やら思案したと思えばまた中を覗いてみたり。
「おい」
「わっ!!ま、真壁くん。。。お、脅かさないでよ」
急に声をかけられた蘭世はその場に飛び上って毛を逆立てた。
「お前が不審すぎる…さっきから何やってんだこんなとこで。誰かいるのか?」
俊はひょいと体育館の中を覗くと、中にはバスケ部の男子が3人、
ボールをうまくあやつりながら立ち話をしていた。
「あいつらに何か用か?」
「あ、ううん、なんでもないの。真壁くんこそ体育館に何の用?」
「俺は体育委員。だから体育館に用があるのが普通。
用がないのはお前の方だろうが」
「いや、別になにも…」
「何だよ、怪しいな」
「怪しいだなんて、誤解だってば。私じゃないのよ。楓ちゃんが…あ。っやば」
っと蘭世は思わず両手で口を塞いだ。
「小塚?」
「いや~・・・その…どうせ真壁くんには読まれちゃうか…」
「?」
「内緒にしてね。楓ちゃんが、あのバスケ部のキャプテンの人のこと好きらしいの。
でね、彼女がいるかどうかもわかんないし、聞いてきてとか言われちゃって…」
「なるほど。またおせっかいを焼いて、張り切ってきたわけだ」
「う。。おせっかいじゃないもん!どうしてもって言われちゃったら断れないし。
で、ここまで来たのはいいんだけど、私、よく考えたらあの人の名前も知らないし、
なかなか一人にもならないし、ちょっとここで待ってたんだけどね…あはは」
「あほらし。そんなこったろうと思ったよ」
「だって…」
+++++
そこにふっとユニフォーム番号4番をつけた男性が体育館の入口まで近づいてきた。
「あれ?よぉ。真壁。何してんの?ここで」
「あ…いや、ちょっとな」
(ん…?真壁とな?)
蘭世はきょとんとして俊とその男子を見比べていた。
「ん?なんだ彼女と一緒か。逢引するならもっと人のいないとこでしろよ。
こんな入口でいちゃいちゃしねえで」
「ば、バカヤロ。!!!そんなんじゃねえよ」
「ははっ、じゃあな」
とその男子はくるくるとボールを人差し指の先で回しながら体育館を出て行った。
「ったく…お前のせいで、俺まで怪しまれたじゃねえか:
「なんで私のせいなのよ。っていうか真壁くん!!」
蘭世は思わず俊の胸倉にしがみついた。
「な、なんだよ!」
「真壁くん、あの人と知り合いなの!?あの人、真壁って…」
「ああ。高杉。部活の部長会議でよく席が隣同士になるんだ」
「何よー!何で早く言ってくれないわけ?」
にたっと蘭世は笑った。
「聞かれてねえし」
「んもう!真壁くんがお友達なら話は早いじゃないの!ね、真壁くん、
彼女がいるのかどうか聞いてきて!お願い!」
「知るか」
「お願いよ~真壁くん!私を助けると思って」
「お前は甘やかすと調子に乗るからな。自分で何とかしろよ。
あ、部活サボるなよ。じゃな」
「あ、真壁くん!もう!イジワル…」
さっさと歩いていく俊をふくれっ面でにらみながら蘭世は考えていた。
「高杉くんかぁ。でも名前はわかったし、真壁くんの友達ならスムーズに行くかも☆。
よーし。楓ちゃん待っててね!」
蘭世はギュッと両こぶしを握り締めて奮起した。
+++++ +++++ +++++
その日の夕方、
「蘭世のヤツ、結局部室に顔出さなかったわね。あんのやろ~。
俊、あんな子ほっといて帰りましょ」
曜子がいつものように悪態をつく。
「・・・」
(あいつまだ体育館でねばってんじゃねえだろうな)
するとそのとき、隣で曜子の叱声が飛んでビクっとなる。
「あーーっ!!蘭世!あんなとこに!コラーー!!蘭世!
マネージャーが部活に顔出さないってどういうことよ!」
「あっ」
蘭世が楓と一緒に中庭のベンチで話し込んでいた。
「ごめんなさいい」
「あ、真壁くん、ごめんね。私が蘭世を引き留めてたの。怒らないで。
じゃあ蘭世ありがとう。そういうことで。また明日ね」
「あ、楓ちゃん、がんばろ~ね~」
楓ににこやかに手を振る蘭世の髪を曜子が後ろから引っ張った。
「な~にががんばろ~ね~だ!ったく!ね、俊☆こんな子ほっときましょ」
「ごめんなさいってばぁ。明日はちゃんと行くから」
ギャーギャーまくしたてる曜子に蘭世は耳を押さえながらも謝っている。
「あ、お嬢さん、お疲れ様でした。お迎えに上がりやした!」
曜子の使用人の惣だ。
どうやら曜子を迎えに来たらしい。
「何よ。いいわよ。私は俊と帰るんだから!」
「いや、そういうわけには。。。来客がお見えでして、
親分からお嬢さんを早く連れて帰ってこいとのお達しで…」
惣はそう言うと曜子を肩に抱き上げそのまま車に移動する。
「えー!?やだ!ちょっと俊~!」
そうやって曜子はあわただしく連れられて行った。
「はぁ…あわただしい人…真壁くん、今日ごめんね。怒ってる?」
「別に。どうせ高杉のことでくだらん作戦でもたててたんだろ?」
「あーくだらんって言ったー!この作戦はばっちり☆ふふふ☆見ててよ~真壁くん」
俊は蘭世を呆れ顔で見る。しかし一生懸命意気込む蘭世の姿は
いつだって輝いてみえるから不思議だ。
「しょうがねえな。明日はちゃんと部活も顔出せよ」
そういうと蘭世は一段と顔を輝かせて「うん!」とほほ笑んだ。
+++++ +++++ +++++
数日後、
今日は部長会議のため俊は会議後、一人で校門に向かって歩いていた。
そのとき、背後から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「真壁~」
振り返ると例の高杉だった。
「なんだ。高杉か。」
「よ、お疲れ。それにしてもお前、ホントかわいげねえな。マジで1年か?」
「悪かったな」
「くくく、おもしれえヤツ。相変わらずぶっきらぼうだし。彼女に愛想つかされるぜ」
「ほっとけ」
「でもいいよな。お前はちゃんとした彼女がいて。今日は一緒じゃねえのか」
「まあ。…そんなちゃんとした彼女に見えるか?」
自分では彼女だからとか彼女じゃないからと意識したことがない。
いつのまにか隣にいるのが当然になっていただけで。
「そりゃそうだろ。いつも一緒にいるしさ。なんつーの?入り込めない雰囲気?
まああの眉毛の子もいるけどな。
まさかそっちなわけじゃねえだろ?」
「ん…まぁ…///」
なんとなく彼女を認めてしまうことが照れくさい。
否定するつもりもないが、自分からそんなこと人に言ったこともないし。
「それはそうとさ」
高杉は俊の照れなど全く気付いていなかったようでちょっと俯きながら話し出した。
「折り入って相談があるんだけど…」
「俺に?」
「ああ、実はさ。。。お前の彼女、よく小塚さんと一緒にいるじゃん?
あれって知り合い?」
「小塚?ああ…中学の同級」
「は?同級?何お前ら年ごまかしてんの?」
「うるさい、ごまかしてんじゃねえよ。ちょっと事情あり」
「どうりで初々しくないわけだ」
「うるせぇ」
「じゃあ、タメならなおさら好都合だ」
そういうと高杉はニカッと笑った。
「ん?」
「小塚さんって、彼氏とかいんのかな?」
「・・・いや、いないと思うが…何で?」
「お前、そこまで言わせるか?・・・
・・・あの子いいじゃん。いっつも花壇に水やってんだよ。なんか気になっててさ。
そしたらよく一緒にいる女子はなんとお前の女!俺ってついてるよね」
「へぇ・・・。
・・・ついてるかどうかは知らねえけど、まあいいんじゃねえの?
話しかけてみれば?(っつーか両想いってヤツだろ、これ)」
俊はなんとなくにやけてしまいそうな口元を我慢し、ポーカーフェイスを保つ。
パっと顔を輝かせる蘭世の様子が目に浮かんで、フッと笑みが零れた。
しかし、当の本人は真っ赤になって動揺する。
「お、お前、自分が彼女持ちだからって簡単に言うなよ~!」
「そうか?案外うまくいくかもしんねえぜ。(だって両思いってヤツだし)」
「何で?何で?」
高杉は縋り付くように俊の胸ぐらをつかんでくる。
「な、なんだよ」
「何でそこまで言い切れるんだよ!」
(なんか・・・江藤みてえ…)
高杉の言動がどこか蘭世を彷彿させて俊は親しみを覚えた。
そしてそっと心の中で応援の言葉を投げかけた。
「俺に聞くより、本人に聞くのが一番かと思ってさ。んじゃがんばれよ」
じゃあなと俊は手を掲げてその場を後にした。
「あ、おい真壁ー・・・」
高杉はしばらく立ち尽くして考え込んでいたが、よしっと気合を入れなおして
校舎の方に舞い戻った。
帰路を歩きながら俊は蘭世に今すぐ伝えたいと思った。
飛び上って喜ぶ姿が簡単に想像できる。
その姿を思い浮かべると俊の気持ちも浮足立った。
今まで人の恋路なんて全く興味がなかったけれど、
人が幸せになっていくのを見守るのも悪いことじゃないなと
そう思うのだった。
ふいに口笛を吹きだす自分にハッとしながらも
俊はそれをやめなかった。
+++++ +++++ +++++
次の日の朝。
「真壁くん、おはよう」
廊下で俊を見かけた蘭世は走り寄って声をかけた。
「オス」
にやりと笑って、俊は蘭世を見た。
「ん?なあに?今日はなんだか楽しそうね。何かいいことでもあったの?」
「いや?お前の顔が面白い」
「な、なにそれ!ひどい!」
バシバシと蘭世が俊をぶつのを俊は手で止めながら言った。
「痛えな。冗談だよ。近いうち、きっとうれしいことあるぜ。たぶんお前にも」
「うれしいこと?何?何?何があるの?」
「・・・言わねえ」
俊は含み笑いをしながら答える。
「何でよ。そこまで言うんだったら教えてよ~。気になるでしょ」
「・・・あっ!!」
「え?何?」
「・・・じゃあ小塚に聞くんだな」
そういうと俊はあれといって顎で中庭を指示した。
「え?楓ちゃん?」
隣には高杉の姿があり、二人で花壇のそばに座って楽しそうに話し込んでいた。
「あ~~!高杉くん!?どうなってんの?あれ。いつのまに・・・?
でも昨日はそんなこと言ってなかったのに・・・」
腕を組んで蘭世は首を傾げている。
「くっくっく」
隣で笑う俊に蘭世は詰め寄る。
「何?真壁くん何か知ってるの?何よもう!教えてよ」
そういって俊の腕をグイグイ引っ張る。
「別に何もねえよ。ただ、お前と小塚が友達で、俺と高杉が友達だった。
あ~よかったなってことだよ」
「はぁ?わけわかんない。もう!真壁くん自分だけわかった顔してずるい!」
廊下できゃあきゃあやり取りしている二人を花壇の二人が見上げていた。
「あの二人に感謝ね」
「ああ。全く」
高杉と楓はにこっと微笑みあいながらこれからの時間に気持ちを膨らませていた。
<END>
+あとがき+
俊のキャラが途中なんかおかしかったので
移行に再録するにあたって結構端折りました^^;
二人の存在そのものが周りを幸せにする…
理想的な2人デス。
PR