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心配

俊×蘭世  高校時代





ピーポー・・・ピーポー・・・

「ん?救急車か?誰か倒れでもしたのか?」

「誰かしら・・・」

「どうしたんだ?」



ある日の昼休み、突然の救急車の到着に教室内がざわめいた。

「・・・う・・ん?」

机に伏せて転寝していた俊も周りのざわつきにさすがに目をさまし、

辺りを見回した。

「何だ?」

「救急車が来てるの。誰が運ばれるのかしらね?」

近くにいた女生徒が俊に声をかけた。

「へえ…学校に救急車なんて珍しいな」

俊も窓から下を覗いてみた。

人だかりでよくは見えなかったが、かすかに蘭世の気配をその中から感じた。

「!!江藤?」

俊の背中に嫌な予感が走る。

そのときだった。

「あっ!いた!オイ!真壁!」

俊が振り向いた先にいたのは日野克だった。

「江藤が救急車で運ばれたぞ」

「っ!」

予感の的中に俊は一瞬身震いして血の気が引いた。

「一緒にいた女をかばって、階段から落ちたらしい。今救急車で…」

「・・・!」

日野の言葉を最後まで聞き終わらないうちに俊は走り出した。

「お、おい真壁!お前病院わかってんのかーー?でも意識ははっきりしてたみたい・・・って

 聞いちゃいねえし・・・・」

と、俊の態度に呆れながらも珍しく焦る俊の姿を目にしてフっとほほえんだ。

「・・・うん、何かいいもん見れたかも」

そう言い残すと日野はゆっくりと自分の教室に戻った。



+++++  +++++  +++++



(・・・畜生・・・。

 俺が目を開けてれば、落ちるのだって止めれたかもしれねえのに・・・)

廊下を走りながら俊は後悔していた。

(まああいつは死ぬことはないにしろ・・・何かあったら・・・)

校舎の裏まで走り、誰もいないことを確かめると、俊は蘭世の方向を確かめた。

(あそこか・・・)

俊は蘭世のいる病院を感じ取るとテレポートした。



+++++


俊が病院に急いで入っていくと診察室の前で養護の宇田先生が腕を組んで立っていた。

「あっ、先生」

「あっ、君はよく江藤さんと一緒にいる男の子ね。真壁くんだっけ?」

「・・・っ!?」

「何で知ってんだ?って顔ね。あなたたち有名だもの。

生徒会に反抗してまでボクシング部を作ったりして話題になってたし。

二人で歩く姿よく見かけるもの。目立つわよ」

くすっと笑って宇田先生が言った。

「はぁ・・・」

俊は照れた顔を隠すようにふっと横を向いた。

「で、江藤は?」

「頭を打ったみたいだから一応今、検査をしてるけど、命に別状はないと思うわ。

 意識もはっきりしてたし。ただ、足を骨折してるわ。しばらくは少し不自由になるわね」

「そうですか・・・」

ふぅと俊は息を漏らした。

(よかった・・・それぐらいならすぐ治るな・・・)

「ふふ。安心した?さっきの血相はすごかったわよ。よっぽど大事なのね」

「・・・」

俊はまた居心地が悪くなって赤らめたままの顔を逸らした。



そのとき、診察室からベッドに乗せられた蘭世が出てきた。

「江藤!」

「あっ、真壁くん、来てくれたの?えへへ、またドジしてしまいまして・・・」

蘭世は苦笑いをしながら答えた。

蘭世のいつもと変わりない笑顔にホッと息をついて俊は口元を緩めた。

「・・・まったくだ。気をつけろよ」

そういって蘭世の肩に手を置くと蘭世はうんと微笑んだ。

「気をつけろよじゃなくて、心配しただろ!でしょ。彼女の前では素直じゃないのね」

先生は俊をひじでつついた。

「・・・なっ///!」

「えっ?」

蘭世はぽっと赤くなった。

もちろん俊はまっかっかだ。

やりとりを見ていた看護師さんがにこにこ笑いながら言った。

「念のためとりあえずは2,3日は入院していただきますけど、まあ今のところ特に

問題もないようですし、すぐ退院できると思いますよ」

「お世話かけます。」

宇田先生が頭を下げると俊も一緒にお辞儀をする。

そのまま蘭世は病室に運ばれていった。


+++++


病室について一息つくと宇田先生は言った。

「大丈夫そうね。じゃあ、悪いけどあとは君にお願いできるかしら。

 もう今日は授業もないでしょ?彼女の自宅にはこっちから電話いれておくわ」

「あ、はい。ご迷惑かけました」

俊はぺこりと頭を下げるとアハハと宇田先生は笑った。

「すっかり旦那様ね」

「は?ち、ちが・・・///」

蘭世も赤い顔をして目をそらしている。

「はいはい。二人の絆はわかりました。じゃああとよろしくね」

そういってウィンクすると宇田先生は病室を出て行った。


「ったく、何なんだ、あの先公は」

俊はゴホンと咳払いをしてぼやいた。

そういって蘭世のベッドの端に腰掛ける。

「ふふ、宇田先生、みんなの人気者なのよ。楽しいし、きれいだし」

「人をおちょくってるだけじゃねえか」

くすくすと蘭世が笑うのを見て俊は言った。

「それよりお前大丈夫なのかよ」

「うん、冴島さんがめまいおこしちゃってね、支えようとしたら代わりに私が

 落ちちゃったの」

テヘヘと頭をかきながら蘭世は笑った。

「まあ、ほら、私死なないし」

Vサインをして蘭世はにっこりしたが、俊はそれを見てふてくされた。

「ばーか、お前なあ‥・俺がどれだけ心配・・・///」

素の顔に戻りつつあった俊の顔がまた赤らんだ。

蘭世は一瞬きょとんとしたが、すぐさま頬に赤みがさした。

「真壁くん、心配してくれたんだ・・・」

「いや、その・・・まあお前は死なないとはわかってたし、それほどでもねえけど・・・」

照れてしどろもどろになる俊を見て蘭世は幸せそうに微笑んだ。

「・・・真壁くん、ありがとう。・・・心配かけてごめんね」

俊も蘭世の素直なお礼の言葉を受けると

「ああ・・・」

と優しく微笑んだ。

「でも・・・足が痛い・・・」

蘭世はそういうと眉をしかめる。

「真壁くんに治してもらえばすぐなんだけどね~。人間じゃそうもいかないし。

 しばらくは松葉杖かな~トホホ・・・」

「まあ、治せない代わりにちゃんと足になってやるよ」

「ほんと~!?」

「仕方ねえし」

「わ~い☆嬉しいな~」

「その代わり、もう無茶するなよ」

そういうと俊はそっと蘭世の髪を撫でると顔をちかづけ

軽くキスをした。





そのとき。

「お姉ちゃん!」

「あ”っ!!」

鈴世がドアを開けて駆け込んできて、蘭世と俊は慌てて離れた。

「あれ・・・エヘヘ早く来すぎちゃったかな?」

鈴世が苦笑しながら頭をかいた。

「蘭世~~~!!」

望里と椎羅も入ってくると明後日の方を向いた3人。

「何だ?どうした?3人とも」

きょとんとして望里が聞いた。

「いや?べっつに~」

鈴世がにっこり微笑んで蘭世と俊に目配せしながら答えた。

真っ赤なふたりと首を傾げるふたり、その間ににこにこしている鈴世の姿があった。



<END>


+あとがき+

魔界人が入院したら
いろいろ問題が起こりそうですけどね^^;













拍手[24回]

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きゅーぴっど

俊×蘭世 高校時代




放課後、体育委員の俊は体育祭に使ったリレーのバトンを体育館に運ぼうと向かっていた。

その体育館の入り口に見慣れた後姿が一人。。。

(何やってんだ?あいつ…)

蘭世は俊に見られているとも知らず、体育館の中を覗いたりまた首をひっこめたり

腕を組んで何やら思案したと思えばまた中を覗いてみたり。

「おい」

「わっ!!ま、真壁くん。。。お、脅かさないでよ」

急に声をかけられた蘭世はその場に飛び上って毛を逆立てた。

「お前が不審すぎる…さっきから何やってんだこんなとこで。誰かいるのか?」

俊はひょいと体育館の中を覗くと、中にはバスケ部の男子が3人、

ボールをうまくあやつりながら立ち話をしていた。

「あいつらに何か用か?」

「あ、ううん、なんでもないの。真壁くんこそ体育館に何の用?」

「俺は体育委員。だから体育館に用があるのが普通。

 用がないのはお前の方だろうが」

「いや、別になにも…」

「何だよ、怪しいな」

「怪しいだなんて、誤解だってば。私じゃないのよ。楓ちゃんが…あ。っやば」

っと蘭世は思わず両手で口を塞いだ。

「小塚?」

「いや~・・・その…どうせ真壁くんには読まれちゃうか…」

「?」

「内緒にしてね。楓ちゃんが、あのバスケ部のキャプテンの人のこと好きらしいの。

 でね、彼女がいるかどうかもわかんないし、聞いてきてとか言われちゃって…」

「なるほど。またおせっかいを焼いて、張り切ってきたわけだ」

「う。。おせっかいじゃないもん!どうしてもって言われちゃったら断れないし。

 で、ここまで来たのはいいんだけど、私、よく考えたらあの人の名前も知らないし、

 なかなか一人にもならないし、ちょっとここで待ってたんだけどね…あはは」

「あほらし。そんなこったろうと思ったよ」

「だって…」


+++++ 


そこにふっとユニフォーム番号4番をつけた男性が体育館の入口まで近づいてきた。

「あれ?よぉ。真壁。何してんの?ここで」

「あ…いや、ちょっとな」

(ん…?真壁とな?)

蘭世はきょとんとして俊とその男子を見比べていた。

「ん?なんだ彼女と一緒か。逢引するならもっと人のいないとこでしろよ。

 こんな入口でいちゃいちゃしねえで」

「ば、バカヤロ。!!!そんなんじゃねえよ」

「ははっ、じゃあな」

とその男子はくるくるとボールを人差し指の先で回しながら体育館を出て行った。

「ったく…お前のせいで、俺まで怪しまれたじゃねえか:

「なんで私のせいなのよ。っていうか真壁くん!!」

蘭世は思わず俊の胸倉にしがみついた。

「な、なんだよ!」

「真壁くん、あの人と知り合いなの!?あの人、真壁って…」

「ああ。高杉。部活の部長会議でよく席が隣同士になるんだ」

「何よー!何で早く言ってくれないわけ?」

にたっと蘭世は笑った。

「聞かれてねえし」

「んもう!真壁くんがお友達なら話は早いじゃないの!ね、真壁くん、

 彼女がいるのかどうか聞いてきて!お願い!」

「知るか」

「お願いよ~真壁くん!私を助けると思って」

「お前は甘やかすと調子に乗るからな。自分で何とかしろよ。

 あ、部活サボるなよ。じゃな」



「あ、真壁くん!もう!イジワル…」

さっさと歩いていく俊をふくれっ面でにらみながら蘭世は考えていた。

「高杉くんかぁ。でも名前はわかったし、真壁くんの友達ならスムーズに行くかも☆。

 よーし。楓ちゃん待っててね!」

蘭世はギュッと両こぶしを握り締めて奮起した。



+++++  +++++  +++++


その日の夕方、

「蘭世のヤツ、結局部室に顔出さなかったわね。あんのやろ~。

 俊、あんな子ほっといて帰りましょ」

曜子がいつものように悪態をつく。

「・・・」

(あいつまだ体育館でねばってんじゃねえだろうな)

するとそのとき、隣で曜子の叱声が飛んでビクっとなる。

「あーーっ!!蘭世!あんなとこに!コラーー!!蘭世!

 マネージャーが部活に顔出さないってどういうことよ!」

「あっ」

蘭世が楓と一緒に中庭のベンチで話し込んでいた。

「ごめんなさいい」

「あ、真壁くん、ごめんね。私が蘭世を引き留めてたの。怒らないで。

 じゃあ蘭世ありがとう。そういうことで。また明日ね」

「あ、楓ちゃん、がんばろ~ね~」

楓ににこやかに手を振る蘭世の髪を曜子が後ろから引っ張った。

「な~にががんばろ~ね~だ!ったく!ね、俊☆こんな子ほっときましょ」

「ごめんなさいってばぁ。明日はちゃんと行くから」

ギャーギャーまくしたてる曜子に蘭世は耳を押さえながらも謝っている。

「あ、お嬢さん、お疲れ様でした。お迎えに上がりやした!」

曜子の使用人の惣だ。

どうやら曜子を迎えに来たらしい。

「何よ。いいわよ。私は俊と帰るんだから!」

「いや、そういうわけには。。。来客がお見えでして、

 親分からお嬢さんを早く連れて帰ってこいとのお達しで…」

惣はそう言うと曜子を肩に抱き上げそのまま車に移動する。

「えー!?やだ!ちょっと俊~!」

そうやって曜子はあわただしく連れられて行った。

「はぁ…あわただしい人…真壁くん、今日ごめんね。怒ってる?」

「別に。どうせ高杉のことでくだらん作戦でもたててたんだろ?」

「あーくだらんって言ったー!この作戦はばっちり☆ふふふ☆見ててよ~真壁くん」

俊は蘭世を呆れ顔で見る。しかし一生懸命意気込む蘭世の姿は

いつだって輝いてみえるから不思議だ。

「しょうがねえな。明日はちゃんと部活も顔出せよ」

そういうと蘭世は一段と顔を輝かせて「うん!」とほほ笑んだ。



+++++  +++++  +++++


数日後、

今日は部長会議のため俊は会議後、一人で校門に向かって歩いていた。

そのとき、背後から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。

「真壁~」

振り返ると例の高杉だった。

「なんだ。高杉か。」

「よ、お疲れ。それにしてもお前、ホントかわいげねえな。マジで1年か?」

「悪かったな」

「くくく、おもしれえヤツ。相変わらずぶっきらぼうだし。彼女に愛想つかされるぜ」

「ほっとけ」

「でもいいよな。お前はちゃんとした彼女がいて。今日は一緒じゃねえのか」

「まあ。…そんなちゃんとした彼女に見えるか?」

自分では彼女だからとか彼女じゃないからと意識したことがない。

いつのまにか隣にいるのが当然になっていただけで。

「そりゃそうだろ。いつも一緒にいるしさ。なんつーの?入り込めない雰囲気?

 まああの眉毛の子もいるけどな。

 まさかそっちなわけじゃねえだろ?」

「ん…まぁ…///」

なんとなく彼女を認めてしまうことが照れくさい。

否定するつもりもないが、自分からそんなこと人に言ったこともないし。

「それはそうとさ」

高杉は俊の照れなど全く気付いていなかったようでちょっと俯きながら話し出した。

「折り入って相談があるんだけど…」

「俺に?」

「ああ、実はさ。。。お前の彼女、よく小塚さんと一緒にいるじゃん?

 あれって知り合い?」

「小塚?ああ…中学の同級」

「は?同級?何お前ら年ごまかしてんの?」

「うるさい、ごまかしてんじゃねえよ。ちょっと事情あり」

「どうりで初々しくないわけだ」

「うるせぇ」

「じゃあ、タメならなおさら好都合だ」

そういうと高杉はニカッと笑った。

「ん?」

「小塚さんって、彼氏とかいんのかな?」

「・・・いや、いないと思うが…何で?」

「お前、そこまで言わせるか?・・・

 ・・・あの子いいじゃん。いっつも花壇に水やってんだよ。なんか気になっててさ。

 そしたらよく一緒にいる女子はなんとお前の女!俺ってついてるよね」

「へぇ・・・。

 ・・・ついてるかどうかは知らねえけど、まあいいんじゃねえの?

 話しかけてみれば?(っつーか両想いってヤツだろ、これ)」

俊はなんとなくにやけてしまいそうな口元を我慢し、ポーカーフェイスを保つ。

パっと顔を輝かせる蘭世の様子が目に浮かんで、フッと笑みが零れた。

しかし、当の本人は真っ赤になって動揺する。

「お、お前、自分が彼女持ちだからって簡単に言うなよ~!」

「そうか?案外うまくいくかもしんねえぜ。(だって両思いってヤツだし)」

「何で?何で?」

高杉は縋り付くように俊の胸ぐらをつかんでくる。

「な、なんだよ」

「何でそこまで言い切れるんだよ!」

(なんか・・・江藤みてえ…)

高杉の言動がどこか蘭世を彷彿させて俊は親しみを覚えた。

そしてそっと心の中で応援の言葉を投げかけた。

「俺に聞くより、本人に聞くのが一番かと思ってさ。んじゃがんばれよ」

じゃあなと俊は手を掲げてその場を後にした。

「あ、おい真壁ー・・・」

高杉はしばらく立ち尽くして考え込んでいたが、よしっと気合を入れなおして

校舎の方に舞い戻った。



帰路を歩きながら俊は蘭世に今すぐ伝えたいと思った。

飛び上って喜ぶ姿が簡単に想像できる。

その姿を思い浮かべると俊の気持ちも浮足立った。

今まで人の恋路なんて全く興味がなかったけれど、

人が幸せになっていくのを見守るのも悪いことじゃないなと

そう思うのだった。

ふいに口笛を吹きだす自分にハッとしながらも

俊はそれをやめなかった。



+++++   +++++   +++++



次の日の朝。

「真壁くん、おはよう」

廊下で俊を見かけた蘭世は走り寄って声をかけた。

「オス」

にやりと笑って、俊は蘭世を見た。

「ん?なあに?今日はなんだか楽しそうね。何かいいことでもあったの?」

「いや?お前の顔が面白い」

「な、なにそれ!ひどい!」

バシバシと蘭世が俊をぶつのを俊は手で止めながら言った。

「痛えな。冗談だよ。近いうち、きっとうれしいことあるぜ。たぶんお前にも」

「うれしいこと?何?何?何があるの?」

「・・・言わねえ」

俊は含み笑いをしながら答える。

「何でよ。そこまで言うんだったら教えてよ~。気になるでしょ」

「・・・あっ!!」

「え?何?」

「・・・じゃあ小塚に聞くんだな」

そういうと俊はあれといって顎で中庭を指示した。

「え?楓ちゃん?」

隣には高杉の姿があり、二人で花壇のそばに座って楽しそうに話し込んでいた。

「あ~~!高杉くん!?どうなってんの?あれ。いつのまに・・・?

でも昨日はそんなこと言ってなかったのに・・・」

腕を組んで蘭世は首を傾げている。

「くっくっく」

隣で笑う俊に蘭世は詰め寄る。

「何?真壁くん何か知ってるの?何よもう!教えてよ」

そういって俊の腕をグイグイ引っ張る。

「別に何もねえよ。ただ、お前と小塚が友達で、俺と高杉が友達だった。

あ~よかったなってことだよ」

「はぁ?わけわかんない。もう!真壁くん自分だけわかった顔してずるい!」

廊下できゃあきゃあやり取りしている二人を花壇の二人が見上げていた。

「あの二人に感謝ね」

「ああ。全く」

高杉と楓はにこっと微笑みあいながらこれからの時間に気持ちを膨らませていた。




<END>


+あとがき+

俊のキャラが途中なんかおかしかったので
移行に再録するにあたって結構端折りました^^;
二人の存在そのものが周りを幸せにする…
理想的な2人デス。













拍手[14回]

花火

高校時代

俊×蘭世







「え?花火大会?」

蘭世はきょとんとして答えた。



「そう。知らない?あけぼの川の河川敷で毎年あるの」

そう答えたのは聖ポーリア学園の生徒会長でもあり、蘭世の友人でもある

河合ゆりえだった。



「知らなかった…あはは、私、そういう情報に疎くって…(笑)」

「うふふ。私も今年は克と行くことになったの。去年までは行けなかったけど」

河合ゆりえと日野克が学園内で公認のカップルになった話題は

まだ記憶に新しい。

少し頬を赤らめながらそれでもどこか嬉しそうに見えて

蘭世もニコリとほほ笑んだ。

「そうなんだ~。ほんとよかったね。ゆりえさんと日野君、

ラブラブだもんね~w」

「もう蘭世さんったら・・・///」

ボクシング部創設の一連の出来事以来友人関係になった蘭世とゆりえは

時々こうして昼食をともにしながらコイバナに勤しんでいる。

「蘭世さんも真壁くんと行ってらっしゃいよ。規模もすごく大きいし綺麗よ」

「う~ん…真壁くん行ってくれるかなぁ…いつあるの?」

「来週の土曜日」

「あぁ…土曜日はたぶん真壁くんバイトだな~…」

ガクンと頭を項垂れさせると蘭世はそうつぶやいた。

「言うだけ言ってみたら?せっかくだし」

「…そうだよね…頼んでみたらしょうがねえな~といかいいながら

休んでくれるかもしれないし!」

「そうそう。がんばって☆」

「うん!がんばってみる!ゆりえさん、ありがとー」

そういって二人は手を取り合って淡い期待に胸を焦がした。


+++++  +++++ +++++



(がんばってみるといったものの…)

部活も終わり、帰る準備をしながら蘭世は俊が部室から出てくるのを待っていた。

(花火大会なんかでバイトを休んでくれるとは思えないんだけど…)

生活費を自分でかせぐ俊にとって、バイトとはいえ、それは貴重な労働時間だ。

そう思うと下手に頼みづらい。

部室の壁にもたれながら宙をぼんやる眺めていると

俊が部室から出てきた。

「…何難しい顔してんだ?」

「あ、ま、真壁くん。ははは、お疲れ様~」

「おぅ。帰るか。…腹減った…うちでなんか作ってくれよ」

今日は俊のバイトも休み。

バイトのない日は、こうやって俊のアパートによってご飯を共にすることもしばしば。

「あ、そうね…何がいい?」

二人は家に向かって帰り始めた。

今日はうるさい曜子の姿はない。

学校の交換留学生に選ばれ、オーストラリアに2週間の短期留学に出かけていた。

(言ってみようかなぁ…)

蘭世がそぉっと俊の方を見た。

すると俊もチラリとこちらを見る。

(ドキーーーっ!!)

「なんだよ。さっきから…言いたいことがあるなら言え。でないと読むぞ」

「あっ!また読んでるの!?ひどーい!!」

ふんっ!と蘭世はそっぽを向いた。

「お前があんまり大きい声で考えるから聞こえちまうって言ってんだろ!何だよ」

「・・・」

「・・・」

「・・・来週の土曜日ってバイトだよね」

「来週の土曜?あ~そうだな…コンビニだ」

「そうよね~休むなんてわけには…」

「う~ん…店長だけになっちまうし、難しいけど。。。何かあるのか?

なんなら聞いてみるけど」

「あっ!いい!いい!何でもないの。うちで食事でもしないかあ~?とかって

思っただけ。また次の時にでも」

「ふ~ん。いいのか?」

「ぜんっぜん…こっちはいつでもいいんだし」

(やっぱりいいや。真壁くんにそんなことで負担かけたくないもんね)

蘭世はふぅと小さく息をつくと心にそっと蓋をした。



+++++  +++++ +++++



そして花火大会当日…。


「じゃあ、行ってきま~す」

「遅くならないうちに帰るのよ」

「はあい」

階下で鈴世と椎羅の声がする。

蘭世が下に降りていくと鈴世はちょうど出かけるところだった。

「何?鈴世出かけるの?…ってまさか…花火?」

「そうだよ。なるみちゃんと行くんだwお姉ちゃんは?お兄ちゃんと行かないの?」

「うっ…!真壁くんはねえ、バイトなの!お仕事なの!

ちゃらちゃら遊んでられないのよ!」

「無理しちゃってぇ…頼んで休んでもらえばよかったのに」

「いいのよ!花火なんていつでも見れるんだから!真壁くんに休ませるわけにはいかないの!

 さっさと行きなさいよ!なるみちゃんが待ってんでしょー!」

「はいはい。行ってきまーす。お姉ちゃんりんご飴買ってきてあげるよ。

 好きでしょ?じゃあね」

「・・・もう!鈴世のヤツ~。生意気なんだから!」

「蘭世ったら…ほんと真壁くんにお願いすればよかったじゃないの。

 行きたかったんでしょ?」

横で聞いていた椎羅が呆れ顔で言った。

「だって…真壁くんがんばって仕事してるのに、迷惑かけたくなかったんだもん…」

「蘭世…あんたって子は…」

椎羅は苦笑しながら蘭世の肩に手を置いた。

「そうね…じゃあまた真壁くんにお弁当差入れしなきゃね。

 お腹すかせて帰ってくるんでしょ?今日はお母さんも手伝ってあげるわ」

「ほんと?よぉ~っし!じゃあ今日は真壁くんの好きなハンバーグ入れよ~っと!」

そう言うと蘭世は早速キッチンに駆け込んでいった。

椎羅もにっこり微笑んで蘭世の後に続いた。



+++++  +++++  +++++



一方、俊の働くコンビニでは花火大会帰りの人でごった返して客の波も

ようやく引いてきていた。。

バイト先についていつものシフトの人数より多かったことで

俊は今日が花火大会ということを知った。

ホッと息をついたのもつかの間、新しい客が入ってくる。

いらっしゃいませと声をかけようよ自動ドアの方に顔を向けると

見知った顔がそこにあった。

「あっれ?真壁~」

日野とゆりえだった。

「よぉ」

「お前のバイト先ここだったの?っていうかお前、今日花火行かなかったのか?」

日野が訪ねた。

「行くも行かないも、さっき花火があったの知ったとこだよ」

「えっ!?」

日野とゆりえは顔を見合わせた。

「でも私、蘭世さんに今日の花火のこと前に話したけど…

 真壁くんを誘うって言ってたからてっきり…彼女何か言ってなかった?」

ゆりえは首をかしげていった。

「江藤に?それいつの話だ?」

「一週間ほど前かしら」

「…あ…!」

(…あの時か…)

何気ない会話をふと思い出す。

「まあ江藤のことだ。お前のために我慢したんじゃねえの?早く帰ってやれよ。んじゃな」

「また明日学校でね」

二人は飲み物代をレジで支払うと店を出て行った。

(…あのバカ…一言言えばいいものを…)

「あっ!お兄ちゃん!」

「こんばんわ」

今度は鈴世となるみだった。

「鈴世…お前らも花火か?」

「何だ。お兄ちゃん知ってたんだ。今日の花火のこと」

「あぁ…さっき知った」

「あっやっぱり?だろうと思った。なんかお姉ちゃん、家でしょげてたからさ。

お兄ちゃんには休ませられないとか言っちゃって」

「アイツ…気使いやがって」

「僕、八つ当たりされちゃったよ。あ、そうだ、お姉ちゃんにりんご飴買ったんだ。

これ、お兄ちゃんからあげてよ。その方がお姉ちゃん喜ぶと思う」

ウィンクしながら鈴世は俊にりんご飴を渡した。

「じゃあ早く帰ってあげてね」

そういうと鈴世となるみも帰っていった。

「・・・・」



+++++  +++++  +++++


客の足もまばらになってきて、そろそろ俊も上がる時間になってきた。

(あいつ…落ち込んでそうだな…)

俊はふぅとため息を漏らしたとき、後ろで店長がぶっと声を殺して笑っていた。

「さっきの友達との会話聞いてしまってね。今日はもう人も少なってきたし

上がっていいよ。」

「あ、いえ大丈夫です。もう少しですし、時間までいます」

「でも早く行きたいと顔に書いてあるよ。そのりんご飴も」

店長は俊のそばに置かれているりんご飴に目をやった。

(/////)

ぼっと赤くなる俊。

「あっ、そうだ、こいつも持っていくといい」

といって店長は花火セットを手に取ると俊に渡した。

「え、いえ、いただけません!」

「私から彼女へのプレゼントだよ。君を大事な日に働かせてしまったお詫びだ」

そういうと店長は人の好さげな笑顔で軽くウィンクした。

「…すみません…ありがとうございます。じゃあこれで…失礼します」

ペコリと頭を下げて俊はその場を後にした。

夜風が妙に心地よく感じた。


+++++  +++++  +++++


「たっだいま~」

江藤家には鈴世が帰ってきた。

「すっごくきれいだったよ、花火!お姉ちゃんも来年は絶対行きなよ」

「大きなお世話ですー。あ、それよりも鈴世、りんご飴は買ってきてくれたの?」

「あっ…あ~りんご飴ね…知り合いに会ったからその人にあげちゃった。ごめんごめん」

「えー!鈴世ってばひどーい!ばかーー」

もういいもん!と蘭世は部屋に戻ってしまった。

「蘭世に買ってこないなんて…鈴世にしては珍しいわね。

 よっぽど大切な人にでも会ったの?」

椎羅は鈴世に尋ねた。

「ん~、まあね。その人にあげた方がお姉ちゃんのためだと思ってさ」

鈴世はニコっと微笑んで答えるのを見て椎羅と望里は首をかしげながら顔を見合わせた。


+++++  +++++ +++++

「何よ、鈴世ったら、鈴世ったら!どうせ実の姉より彼女や友達の方が

 大事なんだから。いいもん!真壁くんもそろそとバイト終わる時間だし、

 お弁当持っていこうっと」

と用意を始めたとき、蘭世の携帯が鳴った。

「俺」

「ま、真壁くん?どしたの?バイト終わった?」

「ああ、ちょっと早めに終わらせてもらった。お前、これからちょっと出れるか?」

「え?う、うん!今からお弁当持っていこうと思ってたし」

俊からの電話もこんなお誘いも珍しい。

蘭世はほっこり心が温かくなって微笑んだ。

「じゃあ、お前んちの前にいるから出てこいよ」

「え?うちの前?」

「ああ、じゃあ」

プッと携帯が切れた。

(何?何かあったのかな…?)

「ちょっと出かけてきまーす」

蘭世はタタタと階段を駆け下りてお弁当を引っ掴むと玄関を飛び出した。

「あ、ちょっと蘭世!?」

「大丈夫だよ。お母さん。お兄ちゃんだよ」

「え?でもまだいつもより早くない?」

「今日は特別」

鈴世はそういうとにこっと意味深に微笑んだ。


+++++  +++++  +++++

「真壁くん!」

「よぉ」

「どうしたの?何かあった?」

「・・・」

(どうしたのかな…)

蘭世の問いかけにも俊は無言のままで蘭世は不安になる。

「ちょっと歩こうぜ」

「・・・うん」

すると俊は蘭世の手を取って歩き出した。

「!?/////」

(ま、真壁くんが…手を…つないでくれた…)

蘭世に緊張と動揺が走る。

それでも俊のひんやりした手が心地よくてドキドキしながらも嬉しさがこみあげてくる。

俊はほんのり顔を赤らめている蘭世を横目で見ると口元をほころばせた。



(公園?)

俊が蘭世を連れていた先は公園だった。

「さっ、始めるか」

「え!?始める??な、何を…?」

妙に真っ赤になる蘭世につられて俊も慌てる。

「ば、何考えてんだ。花火だよ、花火!」

「へ?花火?」

「そ。お前、この前ホントは今日の花火誘おうとしたんだろ?」

「え!?な、なぜそれを…」

「はっきり言えばよかったのに。早く言えば調整だってできたし。

 妙な気使いやがって」

「だ、だって真壁くん忙しそうだったし、そんなことで休むの好きじゃないでしょ?」

「時と場合によるよ。まあいいや。せっかく持ってきたんだからやろうぜ」

そういうと、俊はしゃがみこんで花火の袋をガサガサと開けだした。

「真壁くん…ありがとう!」

蘭世は俊の横に座ると、一本の花火を取り出した。




「でも花火は楽しいな~。真壁くんが一緒だとさらに楽しい!」

「そうか?」

「そうだよ。鈴世なんか自分だけなるみちゃんと花火行っちゃって。

 お土産買ってくるって言ったくせにそれすら人にあげたっていうのよ!全くもう!」

「ほぉ…お土産…ね」

「わ、見てみて真壁くん!これすっごくきれ~い!」

「うわ、お前、花火の先こっち向けるなよ!危ねえな」

「あ、ごめん、つい。あはは」

「あははじゃねえ。…ったくガキなんだから」

「うっ…ど、どうせいつまでもガキですよ~だ」

「フッ…さ、あとは線香花火だけだな。ほらつけてやるから落とすなよ」

「うん、ありがとう」



線香花火のほのかな明かりだけが辺りを照らした。

パチパチと火花が弾ける音が静かに響く。

「きれい…ね、真壁くん」

「ああ…」

俊は蘭世を見た。蘭世はにこにこして線香花火の先を見つめていた。

「…江藤…悪かったな、今日のこと気づいてやれなくて…」

「え?ぜんっぜん。いいのいいの。花火だって毎年あるんだし、いつだっていけるもん。

 それに…」

「…」

「こうやって真壁くんが一緒に花火をしてくれることの方が嬉しい」

蘭世は俊の方を見てにっこりほほ笑んだ。

花火のあかりにほんのり照らされた蘭世は綺麗だった。

「江藤…」

(やっぱこいつには敵わねえ…かな)

俊はそっと蘭世の頬に手を伸ばした。

(ドキっ)

蘭世の鼓動が早まる。

(真壁くん・・・)




ポトッ

線香花火の先が地面に吸い寄せられるように落ちて、辺りは暗闇に戻る。

その瞬間、俊は蘭世の口元にそっとキスを落とした。

静かな風だけが二人をやさしく包んでいた。

唇が離れていくのを寂しく感じながら蘭世はゆっくりと瞳を開いていく。

するといつもはあまりお見かけしない優しい俊の瞳がそこにあった。

フッと俊は微笑むとさっと蘭世の髪を一撫でした。

「さ、帰るか。親父さんたちもあんまり遅いと心配するからな」

「真壁くんとだったら大丈夫だよ」

「…////…煽るなよ…」

「え?」

「何でもねー」

「真壁くん、今日はありがとう。あ、そうだ。これ今日のお夜食。ハンバーグ入りよ」

蘭世は青い布で包んだお弁当箱を差し出した。

「お、サンキュ。実は超腹ペコ」

「クスクス…よかった」

「じゃあ、お前にはこれ」

俊は透明の袋に入った赤色の飴を蘭世に渡した。

「あ、りんご飴!どうしたの?これ!私大好きなの!!」

「天使がお前に届けろってコンビニに置いてったんだよ」

「天使?」

「そ、かわいらしい天使だよ。礼言っとけよ」

「…あ…鈴世…」

ニッと俊は微笑んだ。

蘭世も肩をすくませて笑った。

帰途につく二人はどちらからともなく手が繋がる。

花火の音がまだ遠くから聞こえてきそうなそんな夜だった。




+ あとがき +

今回、移行にあたって少し修正しました。
サイト立ち上げ時期の作品なんですが
読んでて恥ずかしすぎた…
あんまり変わってないけど^^;





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俊蘭:転生後~冥界対決まで 作品一覧

☆ 070 かくれんぼ  100のお題から

☆ 朝もやの向こうに  雰囲気的な言葉の欠片:朝昼夜から

☆ 新しい呼吸

☆ 君との距離、あと何mm? 前編  ときめき夜話イベ作品

☆ 君との距離、あと何mm? 後編  ときめき夜話イベ作品

☆ 君との距離、あと何mm? おまけ ときめき夜話イベ作品





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君との距離、あと何mm? おまけ ver.R

俊×蘭世 本編のおまけ
蘭世サイドの気持ちをちょっとだけ・・・。






「びっくりした・・・」

あんな展開になるなんて思ってなかったから・・・



未だに心臓がバクバクと動いてそのまま飛び出してきそうなくらい。



蘭世は呼吸を整えるように大きく息を吸い込むと

そのままゆっくり息を吐いた。



私のことをどう思っているのか・・・

聞いたのは私のほう。

そんなこと聞くつもりはなかったけど、

想いがあふれ出して聞かずにはいられなかった。




言葉にしなくても真壁くんには届く。

私の気持ちをどのようにとらえてくれたのかはわからない。

そしてこの胸元に光るペンダントには彼のどんな気持ちが込められていたのかも。



スローモーションのように動く彼の姿を思い出すと

止まらない想いが涙になってあふれてしまう。



彼は、私に・・・

キスしようとしたのだろうか・・・?



あまりにも激しく鼓動が打つものだから

軽いめまいさえ覚えて

今の出来事が夢だったのかもしれないと思うくらい

蘭世は動揺していた。



どうせなら、ご飯呼ぶ声になんか立ち止まらないで

勢いのまま奪ってほしかった。

そしたらもっと、

私の心はしっかりとその思いを受け止められていたかもしれない。



よくよく考えたら、彼の気持ちをこうもはっきりと垣間見たのは

おそらく初めてではないか。



追いかけて、すり抜けられて・・・

そんなことを繰り返してきた時代。

二人の関係がやっと少し変わってきたのかな・・・。




嬉しい・・・




言葉にすると簡単だ。

だけどそんな言葉だけで今の気持ちをどれほど語れるだろうか。




熱い・・・



息をもう一つ吐いて、ペンダントを握りしめる。

想いがあふれてくるのを必死で抑える。



「真壁くん・・・」



名前をつぶやくだけで静まりかけた鼓動がまたもや大きく打ち始める。

そんなとき、階下から椎羅の声が響く。



「蘭世~?何やってるの~?早く降りてきなさーい!」

「は、はーい」

降りて行けば俊がいる。

恥ずかしいけど、このまま顔を合わせないわけにもいかず・・・




「よりによって、ごはん?」



はぁ・・・体中の空気を全て入れ替えるかのように

蘭世は大きく深呼吸する。

そしてパチパチと両手でほほを叩き、

ひとつねり。ふたつねり。


「よし、行くぞ!」

ゴクリと息を呑みこんで蘭世は未だ治まることのない逸る鼓動を

左手で抑えながらドアを開けた。




<END>


+あとがき+

どっちかというと
「め、飯だとよっ!」の後の王子を見てみたいもんだぜぃww









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